認知症の母との日常

その老人ホームに母を預けることを決めた理由

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親を施設に預ける決断をするまでには私も家族もさまざまな想いがありました。

母を老人ホームにお願いするまでのことはこちらに綴っています。

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親を施設に預けることは親を捨てることになるのか施設に親を預けるということに対して「親を捨てることになる」と悩む人は少なくないと思います。私も家族もそのことでは悩み苦しみ、何とか前に進...

あらゆる施設を見学

私たち家族にとって母はとても大切な存在です。ですが、母の介護ももちろんですが私たち家族も生きていかなくてはなりません。仕事をし生活していかなくてはならないのです。

ならば、できるだけ母が気持ち良く過ごせるような施設を選択してあげること。私たちはたくさんの施設を見学、比較しながら慎重に前に進みました。

本来なら母と一緒に見学し、母自身が「ここが良い」という施設にお願いできることが望ましいことなのですが、母は重度の認知症であるため意思の確認ができませんでした。

新規開設した住宅型有料老人ホーム

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現在入居している住宅型有料老人ホームは今年の4月に開設したばかりの新しい施設です。こちらの施設を提案してくださったのは母が不眠症状の改善のために入院していた病院のケースワーカーさんでした。

母が入院中、退院した後にお願いする施設を決めなくてはならないので妹と一緒にたくさんの施設を見学していましたし、いくつか候補としているところもありました。

実はその老人ホームにもすでに問い合わせをしていたのです。その時は母のインシュリンの関係で「要相談」という状況でした。全面的にインシュリン対応可能ということではなかったんですね。

母が入居する施設はインシュリン対応が可能という部分が絶対に外せません。必ず必要なことなので。ですからまだ施設見学まではしていませんでした。

新規開設の施設は実績がないので不安

新規開設した施設というのは実績がありません。評判などもわかりませんし、色々なことが未知の状態ですから私たちは悩みました。ですが、まずは見学をさせてもらおうということで日程を決めて施設内を見学させていただきお話も聞かせていただきました。

結論から言うと、見学させていただいた帰り、すでに私と妹は母をお願いすることを決めていました。

何が決め手になったのか

そちらにお願いすることを決めた理由はいろいろとありますが、主な理由は…。

  • スタッフさん・職員さんの対応
  • インシュリンの対応が可能
  • アパートのような扱いになるので好きな時に面会や外出が可能
  • 緊急時の医療・看護連携
  • 看取り(終末期ケア)まで対応している

大きくはこの5つです。

スタッフさん・職員さんの対応

まずはスタッフさん、職員さんの対応です。これは私たちが母の施設を探す際に最も注意深く観察し、最重要な点としていた部分です。それがとても素晴らしかったのです。おそらく、これまで見学した施設の中でも群を抜いていたと思います。

お話の進め方もとてもスムーズでしたし、母の今の状況をしっかり聞き取りしてくださり、何が対応できて何ができないのかという点も明確でした。

ここが明確になっていないと後々困ることにもなりかねません。え?こんなことも対応してもらえないの?と思ってしまうこともあるかもしれませんが、その施設の規模、スタッフさんの人数などさまざまな面で対応できること、できないことにも違いがあります。

そこにお願いする以上はそれは受け入れるしかありません。

それよりも、対応ができるかどうかわからないことに対して、「できるかも」のような曖昧な返事をされることのほうが困るのです。

「できるかも」のような返事をされてしまうと、家族は「できる」と受け止めてしまう。それが後になってできないと言われてしまうとその対応をどうしていくかということで、最悪の場合は施設を退去せざるを得なくなります。

母が入院する前にお世話になっていた施設で、なぜお話を聞かせていただいた時点でそれを言ってくれなかったのかということが多々あり、家族はとても戸惑ってしまったんですね。

できるともできないとも取れるような曖昧な答えが返ってくる場合は注意しなくてはならないと本当に実感しました。

対応可能になるように体制を整えてくださった

母のインシュリンに関しても、私たちが問い合わせた時点ではスタッフさんの確保ができていない状態だったため要相談(何時にインシュリンが必要なのかなど)と言われていましたが、確保ができたので対応が可能ということでした。

入院していた病院のケースワーカーさんが母の状況などを説明してくださり、対応可能になるように施設の方々が体制を整えてくださったのだと思います。

車で1時間もかかる病院に老人ホームの職員さんが足を運んでくださり、医師やケースワーカーさんを含めての聞き取りもしっかりと行ってくださいました。

その老人ホームは、他では受け入れが難しい方でも受け入れられるようにという思いで運営されるということでした。どの施設にも経営理念、方針があり、ウェブサイトやパンフレットなどに記載されていることが多いです。そちらも参考になると思います。

好きな時に面会も外出も可能

外出

私たちが母を施設に預けると決断した時、家族みなにはやはり罪悪感のようなものがありました。辛く苦しい決断だったことは間違いありません。ですが、老人ホームにお願いはするけれど、私たちにできることはたくさんしてあげようという想いで前に進んでいます。

母が老人ホームに多少馴染んでくれるまではあまり環境に変化があってはいけないということで極力外出は避けていましたが、現在は週に1度、もしくは2週間に1度、妹が購入した福祉車両で外出をしています。自宅に外泊をさせることもあります。

しかしどこの施設でも好きな時に外出や外泊ができるわけではありません。月に何回までとか、医師の許可が必要という施設もあります。見学した老人保健施設はそういう制限があるところもありました。

現在お世話になっている老人ホームは好きな時に面会ができ、好きな時に外出、外泊が可能です。なので私たちもとても動きやすく、色々なところに母を連れて行ってあげることができます。

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緊急時の医療・看護連携

母のように糖尿病でインシュリンが欠かせない場合、看護師さんがおられなければ対応ができません。看護師の資格をお持ちでない介護スタッフさんではインシュリンの対応は許されていないわけです。

これまで、いくつかの施設(デイサービスも含む)でインシュリンの対応ができないということを理由に断られたこともありました。

介護の部分に関しては介護スタッフさんの温かさ、医療面に関してはやはり看護師さんがおられるのとおられないのとでは家族の安心感も違ってきますし、対応できること、できないことにも違いが出てきてしまいます。

母が通院している病院とも連携をとっていただけますし、医師からの説明に対しても看護師さんはスムーズに内容を理解してくださいます。

看取り(終末期ケア)まで対応

母はこれまでデイサービス、小規模多機能型居宅介護施設、精神科病院…といくつかの施設、病院を経て今の老人ホームにお世話になることになりました。

施設を移るたびにその環境に馴染んでいかなくてはならず、最初のうちは不安定な状態が何日も続くのです。そのたびに家族も辛かったですが、本人が一番辛く戸惑っていただろうと思います。スタッフさんや環境にようやく馴染めた頃に施設を退去しなくてはならなかったのですから。

できることなら次にお願いする施設は最後までお願いできる施設が望ましいと思っていました。ありがたいことに、その老人ホームは看取り(終末期ケア)の対応が可能ということだったのです。

馴染んだ環境の中、かかりつけの医師、心許せるスタッフさん、家族に看取られながらその時を迎えられる。

自宅を希望される場合でも対応していただけます。

それはこの老人ホームを選択する大きな決め手となりました。

笑顔を見せてくれるようになった母

母をお願いする施設はどこが良いのか…妹と喧嘩のようになりながらもたくさん話し合いたくさん見学しました。話も聞かせてもらいました。

大切な親に少しでも穏やかな生活を過ごしてもらうために、たくさん施設を見学し話を聞いてみてください。実際に見学してみないとわからないことは多いです。そのための時間を確保するのは正直大変でした。でも、多少の無理をしてでも動いて良かった。

今の老人ホームに出会えたのも妹と共に必死に動いたからだと思っています。

施設にお願いすることによって介護する家族にも心の余裕ができ、それまでは腹が立ってきつい対応しかできなくなっていたことでも笑顔で対応しながら介護できるようになりました。

母は家にいた頃よりも今のほうが優しく穏やかな笑顔を見せるようになってきています。私たちによりも施設のスタッフさんたちへ向ける笑顔のほうが良い笑顔というのが少し寂しい気もしますが…(笑)