介護の知識

要介護度は高いほうが利用できるサービスは増えるが必ずしも良いとは限らない

花

今日は要介護度のお話をしてみたいと思います。

介護施設やサービスは誰でも利用できるというわけではありません。また種類も本当にたくさんあり、なかなか違いがわかりにくかったりもするんですよね。私もいまだに「ん?」となることがありますから。

そして、そのたくさんあるサービスや施設は要介護度によって利用できる、できないに違いがあります。


要介護度の目安

要支援、要介護という言葉は介護をされている方であればほとんどの方がご存知だと思いますが、認定の目安は以下のようになります。

要支援1 歩行や起き上がりなど日常生活の基本動作に関してはほぼ自分で行えるが、IADL(手段的日常生活動作)に何らかの支援を要する状態。
要支援2 要支援1の状態からIADL(手段的日常生活動作)を行う能力がわずかに低下した状態。
要介護1 日常生活上の基本的な動作に関しても自分で行うことが困難で、要支援の状態からIADLを行う能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態。
要介護2 要介護1の状態に加え、ADL(日常生活動作)についても部分的な介護が必要な状態。
要介護3 要介護2の状態と比較してADL及びIADLの両方が著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要な状態。
要介護4 要介護3の状態に加え、さらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難な状態。
要介護5 要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を行うことがほぼ不可能な状態。

現在、看護小規模多機能併設住宅型有料老人ホームに入居している母の要介護度は4です。要介護4の認定を受けた当初から多少進行もしていますので極めて5に近いと思います。

認知症の方は受け入れてもらえないという施設もありますので一概に要介護度だけで判断はできませんが、「要支援」なのか「要介護」なのかによっても利用できる施設、サービスに違いがあります。

特に公的施設であり比較的利用料も安い特別養護老人ホーム(現在は民間運営の特養もあります)に入居を希望する方は多いと思いますが、要介護3以上が入居条件となっています。

※中には要介護1や2でも入居可能なところもあります。

母の場合もこの要介護3の認定をしていただけるかどうかがひとつの大きな節目になりました。

最初要介護1の認定を受けた母でしたが、進行の早い認知症でしたので更新の時には一気に要介護度が上がり、要介護4の認定を受けました。3の認定を受けられるかどうかという微妙な状態だと思っていたので要介護4の認定となったのは正直助かりました。利用できる施設、サービスが増えるので選択肢が増えますから。

では、要介護4の認定を受け利用できるサービスや施設が増えたからといって必ずしも良かったと言えるのかというと、それはまた違うわけなんですね。

要介護度が上がると基本料が高くなる

例えば、要介護1の方と要介護4の方が同じデイサービスを利用し、全く同じサービスを受けていたとします。それでも1日の利用料は要介護4の方のほうが高くなります。

ですが、実はこれは当たり前のことでもあるんですね。全く同じサービスを受けているといっても、やはり要介護度の高い方のほうがスタッフさん達が行う介護量は増えるわけですから。

要介護度によって利用料が違うサービス

要介護度によって利用料に違いがあるサービスは以下のようなものがあります。

  • 通所リハビリテーション
  • 通所介護
  • 短期入所生活介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 特別養護老人ホームなどの施設介護
  • 有料老人ホームなどの特定施設
  • 定期巡回・随時対応訪型問介護看護(24時間対応)

逆に要介護度に関係なく利用料が設定されているものというと…。

  • 訪問リハビリテーション
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 訪問入浴介護
  • 居宅療養管理指導
  • 夜間対応型訪問介護
  • 福祉用具の購入やレンタル
  • 住宅の改修

要介護度に関係なく利用料が設定されているものもありますが、上記のように利用料に違いがあるサービスは多いですよね。中には要支援1の方と要介護5の方とでは1日の利用料が500円以上違うというサービスもあります。

なせ要介護度が高いほうが利用できるサービスが増えるのか

先ほどから要介護度が高いほうが利用できるサービスや施設が増えるとお話していますが、なぜなのでしょうか。

それは、要介護度によって1~3割の自己負担で利用できるサービス量が違うからなんですね。

以下は介護保険での介護度別の利用限度額です。

要介護度 利用限度額 自己負担(1割) 自己負担(2割)
要支援1 50,030円 5,003円 10,006円
要支援2 104,730円 10,473円 20,946円
要介護1 166,920円 16,692円 33,384円
要介護2 196,160円 19,616円 39,232円
要介護3 269,310円 26,931円 53,862円
要介護4 308,060円 30,806円 61,612円
要介護5 360,650円 36,065円 72,130円

限度額を超えてサービスを利用する場合には全額自己負担です。また、利用限度額に関係なくその施設自体が要介護度3以上でないと利用できないなど制限がある場合もあります。

状態が良くなった時にも要介護変更の申請を

要介護1や要介護3、または要支援2以上などその施設、サービスによって利用できる範囲に違いがありますからできるだけ高い要介護度をと思われるかもしれません。

私たちの場合は更新の時に要介護4の認定となったことで特別養護老人ホームを選択肢に含むことができたりと助かったと思うことは確かにあります。ですが、利用料などの問題もありますし必ずしもそのほうが良いとは限らないわけなんですね。

要介護認定区分の変更申請はいつでもできる

高い要介護度の認定を受けた場合は確かに利用できる施設やサービスが増えますので助かる面も少なくありませんが、上記でもお話しているように基本料は高くなります。

状態が良くなった場合でも申請したほうが良いというケースもあるわけなんです。

要介護度の認定には有効期間があります。新しく認定された方の場合の有効期間は原則6か月。要介護度に変更なく更新した方の場合の有効期間は原則12か月です。ただし、これはあくまでも基本的にはということであって、必ずそうということではありません。

新しく認定された方や区分に変更のあった方は3~12か月。区分に変更がなかった方の場合は3~36か月まで有効期間を設定することが認められているんです。状態に変化がない場合には最大3年間は更新手続きをしなくても良いということになります。

有効期限が近づいてくると役所のほうから「更新手続きをしてください」という通知が送られてきますが、更新時期でなくても変更申請は可能です。

担当のケアマネジャーさんと相談されて、利用できる施設やサービスの種類と基本料とをよく検討し、必要であれば変更申請して費用負担を抑えるようにすると良いと思います。

もちろんその逆も同様です。状態の悪化がみられた場合でも変更申請は可能です。