介護の知識

特別養護老人ホームとはどんなところ?費用や入所基準は?

特別養護老人ホーム

入居待機者も多いと言われている特別養護老人ホーム。通称「特養」。私たちも母をお願いする施設を探す際に候補として検討しました。

特養は空きを待っている方も多かったようで、私たちも「数か月待ち」と言われましたし、例え空いたとしてもすぐに入居できるとは限らないとも言われました。

ですが最近では少し事情が違ってきているようです。


特別養護老人ホームの特徴

特養の待機者が多い理由のひとつとして挙げられるのが費用の面です。現在母が入居している住宅型有料老人ホームと比較すると、だいぶ安く利用できます。

例えば、有料老人ホームの場合はおむつ代なども別途実費となりますが、特養の場合は「施設介護サービス費(自己負担1~2割)」に含まれます。

施設サービス費は要介護度や収入によって日額が決まりますので自己負担額も変わってきます。また、低所得の場合でも負担が重くなってしまわないように軽減策が用意されているんですね。

軽減策については後述します。

原則 要介護3以上が入居条件

特養は重度の介護を行うための施設です。原則として要介護3以上というのが入居条件になっています。中には要介護1や2であっても入居可能というケースもありますが、原則は要介護3以上です。

特別養護老人ホームの入居条件
  • 65歳以上
  • 要介護3以上

特養の入居条件は大きくはこの2つです。認知症の方も受け入れ可能です。また、40歳~64歳までの方でも特定疾病が認められた要介護3以上であったり、その他にも特例で入居が認められる場合もあります。

入居の優先順位・判定基準

特養の入居基準はポイント制になっています。申し込み順に入居できるわけではなく、必要性の高い人からという優先順位があります。

特養入居の優先順位
  • 問題行動の有無・頻度
  • 入居対象者はひとり暮らしか同居家族がいるか
  • 介護者が高齢
  • 介護者が遠距離
  • 他にも要介護者がいるか
  • 居宅サービスの利用状況
  • 居住環境
  • 介護協力者の有無

上記が全てではないですし、各自治体によって判定基準は多少違っていたりもします。

要介護度が高いほうが点数が高く加算され、同居の家族がいるよりも要介護者がひとり暮らしのほうが点数が高く加算されるといった具合に必要性が高いと判断されるわけです。

いくつかの特養に申し込み

地域密着型の場合は、その施設がある市区町村に住所を置いている方(住民登録している方)しか利用ができません。

例えば、〇〇市に住民登録している人(要介護者)が、すぐとなりの市であっても〇〇市以外の地域密着型施設を利用することはできないということになるんですね。

これに対し広域型の場合は住民登録している市区町村の特養でなくても全国どこでも申し込みが可能です。入居待ちの方も多いということから、いくつかの特養に申し込みをしているという方が多いです。

私たちの場合は早くても数か月待ちだと言われ、それでも長いと感じたのですが、何年も待っているという方もおられるそうです。

ただ、実際に足を運びお話を聞いてみると意外と早く入居が可能だったというケースもあるようです。

特養に比べると有料老人ホームは費用面では高くなってしまいますが、それでも最近は費用も比較的安く、小規模でアットホームな有料老人ホームも増えてきていることから、そちらのほうへ入居されるというケースも多くなっているようです。

そういった地域は特養への入居待機も短くてすむ場合もあるようなので、特養はなかなか入居できないと決めつけずに問い合わせをしてみてくださいね。

特養の場合は負担上限額がある

有料老人ホームの場合は「住居費」「食費」「光熱費」「生活支援費」など全て実費です。おむつ代も実費です。介護保険は適用されません。

また、基本的な介護サービスは生活支援費に含まれているものの、その他に必要な介護サービスは「有料サービス」として別途費用が必要になります。

重度になればなるほどお願いしなくてはならない有料サービスも増えていきますので、1か月に必要な費用も膨らんでいく形になります。

これに対し特養の場合は「住居費」「食費」「光熱費」などは自己負担となりますが、有料老人ホームと比較すると安めです。

所得段階による負担上限額もあります。

特養で自己負担となるもの
  • 住居費(家賃)
  • 水道光熱費
  • 食費
  • 施設介護サービス費(自己負担1~2割)

施設介護サービス費には介護保険が適用され、おむつ代などもそれに含まれますから自己負担額は1~2割になります。

負担軽減制度

特養に入居した場合、施設介護サービス費の1~2割の自己負担に加え、居住費、食費、水道光熱費が自己負担となります。

ですが、所得が低い場合には負担軽減制度(特定入所者介護サービス費)があり、居住費と食費が軽減されます。

1日の食費が1000円程度減額されたり、居室タイプによっては1日の住居費が0円になる場合もあります。

特養の居室タイプ
  • 多床型(相部屋)
  • 従来型個室
  • ユニット型個室
  • ユニット型個室的多床

この減額認定を受けるためには役所へ申請し「介護保険負担限度額認定証」の交付を受ける必要があります。

地域包括支援センターや担当のケアマネジャーさん、または役所の介護保険課に相談してみてください。

なぜ特養に入居しなかったのか

母は住宅型有料老人ホームで生活しています。

母をお願いする施設を探す際に特別養護老人ホームも候補のひとつとして挙げていましたし見学もさせていただきました。ですが、結果的に母は特養ではなく住宅型有料老人ホームに入居となりました。

なぜ特養を選ばなかったのか。

それは特養に問題があるということではありません。費用の面でも有料老人ホームよりも安いですし。

理由のひとつは、見学し話を聞かせていただいた今の住宅型有料老人ホームの職員さん、スタッフさんの対応が素晴らしかったということがあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

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あとは、その時の母の状態で特養はまだ早いという助言をケアマネジャーさんからいただいたということもあります。

特養は重度の介護を行うための施設ですので寝たきりの方やお話ができない方も少なくありません。

ケアマネジャーさんは、施設を選択する際には母と同じくらいの状態の方がどのくらいおられるのかということも検討したほうが良いというお話をされました。

あと1点は、やはり数か月以上の入居待ちになる可能性が高かったからです。

不眠症状改善のために入院していた病院の退院も決まり、早急に入居できる施設を決めなくてはならない状況もありましたし、しっかりした対応をしてくださった今の老人ホームへの入居を決めました。

全国には様々な介護施設が存在しています。可能であれば全てに足を運び見学させていただきたいところですがそうもいきません。

各施設の資料などをご覧になって、いくつかをピックアップして見学させていただくのも良いと思います。

母の入居先施設を決めるために私たち家族がどのように行動したのかはこちらに綴っています。

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